2015年01月14日

【舩越園子コラム】何の陰にも女あり?

「何々の陰に女あり」というフレーズがある。歴史の陰。人生の陰。犯罪の陰……。ゴルフの世界においても、男子選手の戦いの陰には女性、女子選手の戦いの陰には男性の存在が影響を与えていることは、きわめて多い。もちろん、それが本当に「陰の女」「陰の男」の影響なのかどうかは、当事者たちですら確かめる方法はないのだが、最後まで謎めいているからこそ「陰」なのであろう。
今年のマスターズを制すれば、グランドスラム達成となるローリー・マキロイ。彼はまだ25歳という若さゆえ、恋愛にまつわる逸話が多いのは当たり前と言えば当たり前だ。つい先日も新恋人の存在が報じられたばかり。そして、偶然なのかどうか、恋の相手が変わるたびに彼のゴルフの成績にも大きな変化が起こってきた。

 マキロイがメジャー初勝利に王手をかけた2011年マスターズ。最終日のフロント9を終えるまで彼は首位を独走していた。だが、10番からは別人のように大崩れ。「80」を叩いて15位に甘んじ、悔し涙を飲んだ。あのとき、オーガスタに伴っていたのは、マキロイの幼馴染みでもある恋人だった。

 それから2か月後、全米オープンを制してメジャーチャンプになったマキロイ。ふと気が付けば、彼のお相手はテニス界の女王、カロライン・ウォズニアッキに変わっていた。

「来年からは主戦場を米ツアーに変えようと思う」

 2011年の末、マキロイがそう宣言し、欧州ツアー中心から米ツアー中心へ変えたのは、言うまでもなくウォズニアッキと共有できる時間や空間を増やしたかったからだ。

 そして翌年、恋愛パワーは2012年の全米プロ圧勝という快挙につながり、マキロイにとってウォズニアッキは勝利の女神なのだと思われた。

 しかし、2013年は一転して成績が下降。欧州ツアーではオーストラリアンオープン1勝のみに留まり、米ツアーでは、ついに1勝も挙げられなかった。

 2014年の年明けの婚約発表は「成績下降は恋愛にうつつを抜かしているせいだ」という批判を打ち消す意味もあったのかもしれない。結局、それから半年も経たない5月に2人の恋愛は破局を迎えた。

 マキロイが一方的に婚約破棄を告げたウォズニアッキへの電話は、わずか10分。その別れ方はさておき、彼女と別れたその週にマキロイは欧州ツアーのBMW・PGAチャンピオンシップで快勝。さらにその2か月後、全英オープンを制し、次戦のブリヂストン招待を制してWGC初制覇、そして翌週は全米プロも制覇。

 こうなると、快進撃は婚約解消のおかげのように思えてくる。しかし、振り返れば、ウォズニアッキと付き合い始めたころは恋愛パワーの恩恵に授かっていたわけで、恋愛と成績は「良くも悪くも因果関係がある」というのが正しそうである。

 そう言えば、昨年の暮れ、ラグビー観戦に訪れたマキロイは、全英オープンで手に入れた優勝トロフィのクラレットジャグを抱え、ハーフタイムにグラウンドを歩いて観衆に手を振る短いショーを披露。その場でテレビのインタビューを受け、マイクを向けられると、そのタイミングに合わせて場内には「スイート・カロライン」というタイトルの音楽が流れた。

 スイート・カロライン、我が愛しのカロライン……もちろん、マキロイの前カノであるカロライン・ウォズニアッキの名前にひっかけた英国風のジョークだ。観衆は大笑い。そして、マキロイも大笑いしながら「オフを楽しみたい」と晴れ晴れした表情。いいクリスマス、いい年末年始を迎えられそうだなと思える表情だった。

 恋の相手がいなくなった分、ゴルフに集中していたのかな。グランドスラム達成がかかる今年はより一層、ゴルフ一筋になるのかな。そう思った矢先の年明け早々、PGAオブ・アメリカに勤務する美女との新たなる交際が報じられた。

 グランドラム達成の陰に女あり!?そうなったら、ゴルフ界の歴史の陰にも、マキロイの人生の陰にも女ありということになるわけで、いやいや、ゴルフも人生も本当に奥深い。



Posted by carrie at 10:55│Comments(0)
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